金沢おいしい旅

【加賀屋別邸 松乃碧】宿泊記|大人の特別な時間を愉しむ素敵なお宿

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約12分

2020年7月、コロナが少し落ち着いたので石川県民割引で和倉温泉「加賀屋別邸 松乃碧」へ行って来ました。
まず石川県民として「一度は『加賀屋』に行っとかんと」ってことで大手の代理店は激混みと聞いたので、混んでいなさそうな代理店に行くも(県民割キャンペーンは代理店経由のみの予約に限定)加賀屋に電話が全く繋がらない様子。
石川県民、考えることはみな同じですね。

「加賀屋グループの松乃碧はどうですか?」とご提案いただき
マツノミドリ?知らんなあ。しゃーない。じゃあそこで。
となり結果は、
ツアーシステムさん!ありがとうございました!すごーくいいお宿でした♡
なんで今まで知らなかったんだろう。

「加賀屋別邸 松乃碧」の基本情報

住所〒926-0175
石川県七尾市和倉町ワ部34番地  
☆和倉温泉駅からの送迎あり(要予約)
TEL0767-62-8000 (松乃碧予約センター)
駐車場無料
チェックイン15:00
チェックアウト11:00
客室数31室
開業2015年秋
公式サイトhttps://www.matsunomidori.jp/

金沢からクルマで「のと里山海道」を和倉I.Cで降りて所要時間は1時間半ほど。電車で行くお客さんには、予約をすると「和倉温泉」駅から送迎してくださいます。
開湯は1200年前という歴史ある「和倉温泉」。
2011年に事業停止した老舗旅館「銀水閣」の新館を和倉温泉の「加賀屋」が2015年にリノベーションして「加賀屋別邸 松乃碧」として再オープンさせました。
所々にその名残はありましたが、古さを感じさせない本当に素敵なおとなのお宿でした。

「加賀屋別邸 松乃碧」ロビーラウンジで優雅なチェックイン

笑顔いっぱいに男女スタッフさん3名でお出迎えいただき、いきなり恐縮でございます。
松乃碧のスタッフの皆さん、どんな場面でも本当に気持ちの良い笑顔で対応してくださいました。
駐車場はすぐの距離にありますが、車はバレーパーキングでした。

「加賀屋別邸 松乃碧」のコンセプトのひとつに「美術館に泊まる」というのがあり、すでに入り口からお宿というより美術館です。

前田家ゆかりの茶室がある他、輪島塗や九谷焼などの石川県が誇る伝統工芸で彩られた館内は美術館さながら。というか美術館でもあるのです。

輪島市出身の漆工芸家・角偉三郎氏の作品を展示した「角偉三郎美術館」が松乃碧館内美術館として併設されており、この先にロビーラウンジがあります。

入り口からは想像できない、七尾湾が目の前いっぱいに広がる開放感いっぱいの広くてゆったりとしたロビーラウンジ。
遮るものが何もない七尾湾の圧倒的な眺め。
ぎょへっ!眺望好きpiyonは思わず叫びました。
こんな優雅なチェックインは初めてでテンションあがりまくり。
ロビーラウンジの目の前のお庭は、七尾が生んだ偉人・長谷川等伯の国宝「松林図屏風」から着想を得た松の庭園です。

「加賀屋別邸 松乃碧」は中学生未満宿泊不可のお宿。どのスペースも広々で滞在中は静かでゆったりとした時間が常に流れていました。

ロビーラウンジ前の庭園は、なんちゃって松林図屏風、という感じではなく能登島を向こうにこれはこれで非常にいい眺めです。
お茶とお菓子をいただいて、仲居さんとお喋りしながらこのロビーラウンジでかなりの時間くつろいでました。

マスクケースはチェックアウトするまで何度もいただきました。松乃碧のロゴ入り。

チェックインからお部屋の案内まで担当してくださった仲居さんは見事な接客で素晴らしい、の一言。さすが加賀屋グループです。
着物ではなくて作務衣でもなくてカッコいい高級もんぺみたいな衣装も、とてもおしゃれで素敵でした。

「加賀屋別邸 松乃碧」のお部屋

どれだけでも寛いでいられるロビーラウンジでしたが、この後、お茶室の予約をしていたので部屋に案内していただきました。4005室「若葉」はスタンダードな12畳ツインというお部屋。

能登島と能登島大橋を一望するお部屋は、決して広くはないけれどとても快適に過ごせました。穏やかな七尾湾に背を向けて座るソファーは座り心地が良く、piyonの腰にちょうどよくフィットして夜の読書に最高。

築年数を経た旅館をリノベーションしたことはわかりますが古さを感じてガッカリ、ということは「加賀屋別邸 松乃碧」館内すべてにおいて感じることはありません。

マッサージチェアもありました。

アメニティ
出典:「加賀屋別邸 松乃碧」さんの公式HPより

「加賀屋別邸 松乃碧」インクルーシブのお宿で、ロビーラウンジでのドリンクやスイーツ、お茶室のお茶とお菓子、湯上がりラウンジでのドリンク・アイス、お食事処での夕食と朝食時の飲み物、バーでのドリンクと夜食、お部屋の冷蔵庫、加賀屋グループの温泉湯めぐり、これらすべてが宿泊料金に含まれています。(特別なものは別途料金発生します)
一部ドンペリクラスは有料でしたがフリーのドリンクメニューもなかなかの充実ぶりでした。

広くはないものの落ち着いたお部屋で連泊も可能だと思いました。こんな優雅なお宿でぜいたくに2連泊してみたいなぁ。

部屋の窓からの眺めは七尾湾に浮かぶ能登島と能登島大橋。

ロビーラウンジにある豊富なライブラリーの中から選んだCDやDVDや本をお部屋で愉しむこともできます。ふだん読書をしない三平が珍しく夜を徹して古事記(最初から置かれていました)を読み入っていました。

足りないものはないくらいの充分過ぎるアメニティ。蛇口のレバーハンドルにも松乃碧のロゴマーク。
大浴場だけを利用する人が多いと思われますが、客室に浴室もありました。
海を望む露天風呂付の客室も2部屋あります。

チェックインの際、お茶室の予約をしていましたのでお部屋での撮影もそこそこに向かいます。
エレベーターホールからも青い海と能登島の眺め、エレベーター待ちも苦になりません。

七尾湾は穏やかな内海。お天気にもよりますが、この景色だけでいやされます。

「加賀屋別邸 松乃碧」のお茶室

「加賀屋別邸 松乃碧」に宿泊すると、前田家最後の十四代藩主の四女、慰姫(やすひめ)様のお行儀見習いの場として江戸時代末期に建てられたお茶室を移築した得寮庵で、本格的な茶道体験ができます。
釣鐘型の火燈窓(かとうまど)がめっちゃおしゃれ。江戸時代ですけどね。

先生のお点前は素晴らしく(たぶん、いや絶対)哀しいかな心得がないので緊張しますが椅子に座らせていただけたので助かりました。
お菓子は金沢の和菓子屋さんでトップに君臨する『吉はし』さんのもので、ショップにもあったので当然購入して帰ります。ラッキーでした♡

お茶室そのものも見応えたっぷりで参加してよかった♪ 
剣梅鉢紋(加賀藩前田家の家紋)と鳳凰の描かれた格天井も素敵です。

床の間の天井の一枚板には龍の絵の織物。150年の歴史を想います。

絶景を眺めながら、日本の文化を堪能。

由緒あるお茶室で緊張しつつも貴重な体験でした。

「加賀屋別邸 松乃碧」の喫煙室

絶景を眺めながらのぜいたくな喫煙室は各階に設けられていました。各階になんて今どき珍しいです。
滞在中この喫煙室で誰とも会わなかった、と三平。

バブルまでの昭和の社員旅行全盛の時代の観光バスの運転手さんやバスガイドさん専用のお部屋を改装したのではないかと推察します。どうでもいいですが。

「加賀屋別邸 松乃碧」の温泉

夕食前に温泉大浴場へ。海と空と一体化したかのような露天風呂「水鏡の湯」も内風呂も開放感いっぱいでたまらなく気持ちがいいです。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)。
そして脱衣場もめちゃくちゃ広くスペースが取られ、お風呂上がりのお肌のお手入れもゆったり優雅な気分。アメニティもばっちり揃っていました。

利用時間は深夜1:00まで
翌朝は5:00から

湯めぐり(加賀屋・あえの風・虹と海の各大浴場)も可能です。

開湯以来、1,200年という歴史を積み重ねてきた和倉温泉は北陸・石川を代表する温泉です。
地下の花崗岩に含まれる水晶をくぐり抜け、透明なお湯が絶えることなく湧き出ています。
塩化物泉で高張性(高濃度)のため、お肌の敏感な方は少しずつ
お身体を慣らしながらご入浴ください。

「加賀屋別邸 松乃碧」のHPより

湯上がりサロンは中庭に1億年前から生息するシダ植物、モクセイシダが、室内には伝統工芸が展示され、「過去と今をつなぐ」というコンセプト。

湯上がりサロンでいただけるのは能登ミルクジェラート3種。

ビールや飲むヨーグルト・牛乳もありました。いちいち嬉しいインクルーシブ♡

館内着がなんと3種類も用意されてました。びっくり。
画像真ん中の作務衣がいちばんラクで着心地よく、着ているお客さんも多かった印象。インクルーシブで可能な加賀屋グループの湯めぐり(加賀屋・あえの風・虹と海 の各大浴場)や和倉温泉の街歩きにも右端のジャージ作務衣以外なら着用して出かけられます。

お持ち帰りもOKな巾着袋を持って加賀屋見学に行ってみました。
piyonの感想は『松乃碧にして良かった』。
好みでしょうけど、広いというよりデカ過ぎて、宿泊客多すぎて、わちゃわちゃ感満載で落ち着かない。
でも、すれ違う従業員の方すべてがきちんとそして笑顔でご挨拶してくださって
『さすが加賀屋!』ではありました。
どこも賑わっていてエンターテインメント性が高くお店もたくさんで大浴場も巨大、ひとつのテーマパークのようで松乃碧とは全く違った楽しさがあり、おじいちゃんおばあちゃんからお孫ちゃんまでのファミリーには『加賀屋』なのでしょう。

「加賀屋別邸 松乃碧」の夕食

インクルーシブの楽しみを存分に享受する夕食は個室でいただきます。
狭く窓もない個室で食事、というお宿もありますが、さすが松乃碧、広い窓の向こうに絶景を望みながらの夕食です。そしてここも美術館でした。

お持ち帰りOKのナプキンもロゴ入り。

一枚ずつめくっていけばいいのでとても見やすいお品書き。いいアイデアですね。

<食前酢> トマトと赤しそ酢 
身体にはいいんだろうなぁ、だけでなくお味もよろしいです。

<利き酒3種飲み比べ> 宗玄【本醸造】 珠洲市 宗玄酒造
            加賀鳶山廃【純米酒】 金沢市 福光屋
            立山【特撰酒】 富山県 立山酒造
お酒が弱いpiyonもこれは嬉しい♡

<八寸> 手の込んだお料理満載で、どれも美味しいです。

<先附>  蒸鮑と海老翁〆 ポン酢ジュレ
      純白胡麻豆腐

丁寧に作っていらっしゃるのがわかります。

日本海の恵みを中心に旬の地の物が凝った器で次々に供されますので、このあたりでは食べるのに夢中で撮影も忘れてお料理の内容を覚えていません。落涙。

お食事の前にお肉とお魚もあったんですが、この頃にはもうお腹がいっぱいで撮り忘れです

能登産コシヒカリ 新生姜ともち麦ごはん 刻み茗荷
能登の海藻汁 地野菜漬け 七尾はりはり

水菓子 白桃ムース
甘味  和倉珈琲の水羊羹

インクルーシブはサイコーです。躊躇なく何でも頼めます。
ためらうことなくっていうのがストレスフリーでたまりません。
東方美人などの高級台湾茶も何種類もあり飲み比べできました。

もうお腹いっぱい。中高年が多いお宿なので、ちょうどいい量だと思います。
料理長さんのおもてなしの心も伝わってくるような一品一品趣向を凝らしたお料理で
全て美味しかったけど。
十分美味しかったけど。
絶品!ってことはない。
惜しいなぁ全国に誇るお宿に十分なれるのに、と思いました。
31室もあるお宿だとお料理にこれ以上求めるのはムリなのかな、とも思います。
十分美味しいんですから。

担当してくださった仲居さんも、私のたくさんのめんどくさい質問にも笑顔でお応えいただきました。
とても感じの良い、岡山出身だとおっしゃっていた女性。ありがとうございました。
やはり感じの良い副支配人さんも挨拶に来られ、「本日は99.9%石川県からのお客様です。」ん? 全部で31室だから…99.9%?…計算が…
まっいいか。

「加賀屋別邸 松乃碧」夜のロビーラウンジ

夜も更け、ロビーラウンジへ。ここでもためらうことなく『柚子はちみつスカッシュ』などいろいろいただきます。
グラスが空くとすぐにオーダー聞きに来てくださるので、もうなんも入らん、と言ってた三平「ミニうどんください」
へ?
内臓も脳も経年劣化で満腹中枢も完全にマヒ状態。
でも、本当に感じよく何度もこちらの欲求を伺いに来てくださるので、食べるつもりなくても思わずオーダーしてしまう三平の気持ちも理解できます。
それほど松乃碧のスタッフさんたちは笑顔で感じがいいのです。
いらっしゃった数組の中高年のご夫婦もうどん食べてました。皆さん強健な内臓をお持ちです。
そう言えば、夕食前にロビーラウンジでスイーツを召し上がってる方々もいらっしゃいました。羨ましい。

静かな心やすらぐ空間で、至福のときを過ごします。たまにはこういう時間も必要ですね。

「加賀屋別邸 松乃碧」は朝食も大満足

朝食も昨夜と同じ個室でいただきます。
「体に優しい朝食を用意しました。五臓をいたわり栄養バランスを整え、今日も一日お健やかにお過ごしください。」という内容の山田政和料理長のメッセージが添えられていました。

お品数は多いけどヘルシーな朝食に大満足です。

ごはんはお櫃じゃなくてSTAUBにギンガムチェックの鍋つかみ。きゃっ♡かわいい。
そしてヤクルトも久しぶりで嬉しいです。

一夜干しのアジは絶品でした!

前言撤回です。ここに絶品がありました!

「加賀屋別邸 松乃碧」まとめます

もっとゆっくりしていたいけどチェックアウトです。
ひとことで言うと「加賀屋別邸 松乃碧」素晴らしかったです。ホスピタリティーが全従業員で共有されていてどの場面でも本当に笑顔で心のこもった対応をしていただきました。
館内はどこも静かで空間がゆったり広々で眺望も素晴らしい。
でも何よりおもてなしの心。やっぱり何でも大事なのは心なのだと。
「加賀屋」が高く評価される理由がわかりました。
大感動&大満足の滞在でした。
疲れた体と心が、ゆっくりと力が抜けて解き放たれていくような、そんな癒しの宿です。海外旅行に行けない、国内旅行も自重しなきゃいけない今こそ注目を集め、訪れる人が増えるのでしょう。
感染対策で大変な中、ありがとうございました。

和倉温泉近くでコウノトリ目撃!

初日の松乃碧に向かう途中、和倉の手前の田んぼの横を走っているときのことです。
デカい鳥!
サギ?
いや違う。何?
車を停めてスマホで撮影。石川県七尾市の田鶴浜あたりでした。
この後、松乃碧でチェックインを担当していただいた方に、来る途中の田んぼで大きな鳥を見た、と話すと
「コウノトリじゃないですか?」
何かいいことがあるんじゃないですか」
やさしいお言葉とともに教えていただきました。ありがとうございます。
コウノトリ、なかなかお目にかかれないと思います。ラッキー☆

松乃碧での体験すべてが「何かいいこと」でした☆

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