豊臣秀吉の菩提を弔うために正室ねねが建立した京都の東山地区にある「高台寺」はあまりにも有名ですが、その向かいには、ねねが余生を過ごした 圓徳院 (えんとくいん)があります。
派手さはありませんが、トップシーズンには喧騒に包まれる 高台寺 とは別世界の、ねねの秀吉への深い愛情がしっとりとじわじわと滲み出るようにpiyonは感じる落ち着いた佇まいの中で、静かに安らぎをくれる場所です。
ひとりで何度も訪れてしまう 圓徳院 と、アメックスカード会員が利用できる「高台寺塔頭 圓徳院 客殿」(旧 アメックス京都特別観光ラウンジ)についてご紹介します。
圓徳院の基本情報
住所 | 〒605-0825 京都市東山区高台寺下河原町530 |
TEL | 075-525-0101 |
拝観時間 | 10:00~17:00 受付終了 17:30 閉門 |
拝観料 | ■大人/500円 ■中高生/250円 ■小学生以下無料 ■3ヶ所(高台寺・掌美術館・圓徳院) 共通割引拝観券/900円 |
アクセス | ■円山公園から徒歩約5分 ■八坂神社から徒歩約5分 ■清水寺から徒歩約15分 ■京都市バス「東山安井」停 から徒歩約7分 ■京都駅からタクシーで約15分 |
駐車場 | <高台寺駐車場> 共通拝観券は2時間無料 圓徳院のみ拝観は1時間無料 AMEXカードで無料拝観の 場合も1時間無料 |
圓徳院とは
秀吉の正室 北政所ねね は、秀吉の菩提を弔うため 高台寺 を建立。
秀吉との思い出深い伏見城にあった北政所化粧御殿と前庭をこの地に移築し、自身の屋敷として晩年の19年を過ごし、その間、ねねを慕って多くの大名、茶人、歌人、禅僧など文化人が訪れました。
ねねの没後、高台寺の塔頭 圓徳院 (こうだいじ たっちゅう えんとくいん)とされました。
高台寺とは「ねねの道」を挟んだ向かいに位置しています。
高台寺塔頭 圓徳院 客殿(旧 京都特別観光ラウンジ)とは
桃山文化を伝承するお寺の大切なお客様をもてなしていた客殿(現在の方丈)の中に、アメックスカード会員だけが足を踏み入れることができる 「高台寺塔頭 圓徳院 客殿」(以下アメックスラウンジ客殿)があります。
<アメックスカード会員の特典>
- 客殿の利用は無料
- 圓徳院の拝観無料
- 圓徳院書院にてお茶のご接待
- 高台寺駐車場が1時間無料
- アメックスカードは提示するだけでOK
- アメックスカード会員本人と、同伴者(2歳以上)3名まで無料
- 利用時間/10:00~17:00(16:45受付終了)最大1時間 (繁忙期は30分)
- 圓徳院は無休
- アメックスラウンジ客殿は休業日があるのでアメックス公式サイトで確認
アメックスラウンジ客殿を利用できるアメックスカードの種類や、アメックスラウンジの休業日は こちらから
お庭を眺めながらいただくお茶と小さなお菓子は、人混みで歩き疲れた心身にしみわたるありがたい一服の清涼剤。
お向かいの高台寺の行列が信じられないほど静かなお部屋で、癒しの時間を過ごせます。
圓徳院へのアクセス
圓徳院 は八坂神社と清水寺の中間に位置していて、清水寺に向かう途中では、八坂の塔を見ることが出来ます。
京都駅からアメックスラウンジ客殿へのアクセス
<京都駅から市バス>
①京都タワー側(烏丸口)のD2のりばから206系統に乗車→「東山安井」停で下車
②進行方向(北)にある「東山安井」交差点の横断歩道を東へ渡る
③ゆるい上り坂を直進
④突き当たりを右へ
⑤50mほど進んだ左手に 高台寺 圓徳院 の案内板と、近道「石塀小路」が現れるので左の小路を入ります。
⑥石塀小路に入ってひとつ目の角を左折します。
⑦30mほど進むと右手に 圓徳院 への入り口が現れるので石段の先の「ねねの小道」を進みます。
piyonが圓徳院を好きな理由のひとつである、雰囲気たっぷりな石塀小路は、町家が軒を連ねる小さな路地ですので「撮影厳禁」になっています。
石畳と石塀が美しい本当に小さな路地は、風情があって思わず写真を撮りたくなりますが、「罰金5千円」と書かれているのでご注意の上、迷惑がかからないよう静かに歩きましょう。
ここは圓徳院の入り口ではないのでねねの小道を奥へ進みます。
⑧くねくねと進むと右手に アメックスラウンジ客殿 専用入り口となる竹垣の木戸があります。
えっ!ここ?と通り過ぎてしまいそうな小さな木戸ですが、AMEXの表示があるのでお庭へ入ります。
アメックスカードを準備して案内札に書かれているとおり小さな鐘を鳴らすと、係の方が奥から出て来られますのでこちらで脱いだ靴を、もらったポリ袋に入れて、こことは違う場所にある出口まで持ち歩きます。
- アメックスカードは提示するだけでOK
- 利用時間/10:00~17:00(16:45受付終了)
- アメックスカード会員本人と、同伴者(2歳以上)3名まで無料
- 利用時間/最大1時間 (繁忙期は30分)
- 圓徳院は無休
- アメックスラウンジ客殿は休業日があるのでアメックス公式サイトで確認
アメックス公式サイト「高台寺塔頭 圓徳院 客殿」は こちらから
八坂神社から圓徳院へのアクセス
圓徳院 は 八坂神社 からも歩いて5分ととても近いんです。
八坂神社の南楼門 を出て南(清水寺方向)へ直進すると、「京都駅から圓徳院へのアクセス」で説明した⑦の場所へ出ますが、もっと手前にもう1つの石塀小路の入り口があります。(上の写真赤い矢印)
バス停「東山安井」からは、ゆるい坂を上って突き当たりを右に曲がり左手にある石塀小路から入る方法と、こちらの黄色い矢印のように突き当たりを左折して石塀小路へ入る方法と2つの石塀小路入り口があるのです。
どちらから入っても圓徳院は近いです。
本来の圓徳院入り口は「ねねの道」から
円山公園から高台寺へと続く ねねの道 を南下(清水寺方向へ)しても圓徳院へは近いです。
ねねの道 を挟んで左が広大な高台寺で、圓徳院は右手。
ねねは秀吉の菩提を弔うため、ねねの道 から緩やかな上り坂「台所坂」を歩いて高台寺に毎日通ったとされています。
圓徳院 の拝観受付は黄色い矢印、アメックスラウンジ客殿 への入り口は青い矢印です。
アメックスカード会員は拝観受付を通らずに(拝観料も無料)、アメックスラウンジ客殿 からおじゃましてそのまま 圓徳院 を拝観する、という流れになります(入り口は別、出口は同じ)。
「ねねの道」から行く場合の、アメックスラウンジ「客殿」へはこちらから。
アールの入り口の先には、カフェ、ショップ、三面大黒天さんもあり、「ねねの小径」を通っての八坂神社・バス停・四条通りへの近道でもあるので誰でも通れる道です。
「ねねの道」沿いの入り口から客殿へ向かうのが一般的なようですが、いかにも京都!な情緒ある「石塀小路」と「ねねの小径」をぜひ歩いてみてください。
ホントに小径ですが。
圓徳院をまわります
南庭と方丈
正門からでも、アメックスラウンジ客殿 からでも、圓徳院 の鑑賞順路のスタートは方丈の前に広がる南庭から。
木々の緑と白砂のコントラストが美しいしっとりとした枯山水は昭和の作庭です。
紅葉の時季はまた格別な美しさでしょう。
写経をされている中には外国人の方もいらっしゃいます。
精神を集中させ邪念を払うと、日常のストレスから解放されて心の安定が得られるのは、万国共通なんですね。
床や柱にも、ねねの秀吉愛が染みついているんやろね~なんて感慨に浸りながら見て周りますが、方丈は1605年建立、1994年に全面解体修理が行われたということで、現在の方丈を彩る襖絵はその際描かれたものです。
ガラスの外に見える「ねねの小径」は、くねくね上ったり下りたり迷路のようでもある 圓徳院 の敷地内。
枝葉が日光や月明かりを遮ることのないよう、生垣の低い枝は取り除かれています。
冬の京都で巡る神社仏閣は、足元から冷えてお手洗いをお借りしたくなりますが、和式しかないんとちゃう?とか気になって我慢しがち。
でも圓徳院では安心です。
ほら!椅子まであるパウダーコーナー付きのキレイなお手洗いです。
ビックリです!
長谷川等伯の襖絵は複製
長谷川等伯が描いた重要文化財「山水図襖」32面のうち、16面が等伯の故郷 石川県七尾市の七尾美術館、16面が京都国立博物館へと寄贈されました。
現在 圓徳院 にあるのは高精細複製品です。
石の数に驚く桃山時代の豪快な北庭
伏見城から移した化粧御殿は幕末に焼失してしまいましたが、前庭は残り、今も北庭として桃山時代の原型をほぼそのままに留めています。
大小200以上も数える石の多さが特徴的な北庭は大名茶人 小堀遠州の作。
ねねにとって安らぎの庭であったように、400年の時を超えて今もな変わらないであろう眺めに心癒されます。
北書院から眺める北庭。
静かに心穏やかになれる至福のとき。
1度で3つのご利益 三面大黒天
北庭を堪能した出口の先にあるのが、秀吉が生涯 出世守り本尊とした三面大黒天。
大黒天・毘沙門天・弁財天が合体し、1回拝むと3つのご利益を得られる、という秀吉らしい合理的でありがたく珍しい仏様です。
圓徳院 まとめます
紅葉の時季はそりゃ綺麗でしょうよ、美しいでしょうよ、と想像できますが、せっかくの静けさを求めて参拝する 圓徳院 ですから、紅葉シーズンをはずした平日の午前中に行くべしです。
お向かいの、広すぎて人も多い高台寺では得られない、安らぎの世界が待っています。
お庭を眺めて、ねねの晩年に思いを馳せながら、心に平安が訪れる時間は格別です。
piyon的には 高台寺 より断然おすすめの 圓徳院 をご紹介しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。