金沢おいしい旅

銀座のイタリアン【 FARO(ファロ)】でヴィーガンガストロノミーを知る

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約11分

せっかくの東京なので、金沢では体験できないようなイタリアンのお店に行ってみよう!品川から近距離でという条件で探して、銀座のFARO(ファロ)を訪れました。
ヴィーガンガストロノミーってどんなん?という期待を抱いて体験した、2023年5月の FARO(ファロ)をご紹介します。

FARO(ファロ)の基本情報

住所〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3
東京銀座資生堂ビル10階
TEL0120-862-150
03-3572-3911
営業時間16:00~22:00(L.O.19:30)
定休日日・月曜日 夏季(8月中旬)
年末年始
アクセス■東京メトロ銀座線・
 日比谷線・丸の内線
 銀座駅から徒歩約7分
■JR山手線・京浜東北線、
 東京メトロ銀座線、
 都営浅草線
 新橋駅から徒歩約5分
予約1か月先の月末まで 電話かWEBで
<電話 予約受付時間>
営業日の14:00~21:00
<WEB>
https://faro.shiseido.co.jp/
駐車場利用金額20,000円以上(税込)で
西銀座駐車場のサービス券4時間分
ドレスコードスマートカジュアル

FARO(ファロ)とは

イタリアンの枠を超えたガストロノミー

新橋駅から歩いて5分ほど、銀座中央通りに面した赤い壁の資生堂ビルの10階にある、資生堂が運営するイノーベーティブイタリアンのレストラン「FARO(ファロ」
2001年にオープン、2018年10月からはエグゼクティブシェフに能田耕太郎氏を迎えて新しく生まれ変わりました。

能田氏はイタリアでは、シェフを務める店でミシュランの1つ星を、さらに自身がオーナーシェフを務めるローマのお店でも1つ星を獲得という輝かしい経歴の持ち主で、現在もイタリアにお店をお持ちです。

ミシュランの星については、これまでの経験から、全く当てにならないと思っているので、ここに明記はいたしません。

FARO(ファロ)は、ヴィーガンさん以外にもすすめたいヴィーガンガストロノミーとして高い評価を受けています。

ホールを洗練された身のこなしと無駄のない動きで掌握し、食材や器へのこだわりを、アナウンサーのようないいお声でよどみなく流れるように説明してくれるサービススタッフさん。
ソムリエさんの笑顔と丁寧な解説。
お店の雰囲気。
そのどれもが、それはそれは素晴らしかったです。

肝心のお料理はと言うと、シェフのスペシャリテを含めた2品は唸るほどの美味しさでしたが、それ以外は「ようわからんなぁ、そんなに美味しいんかなぁ」というのが正直な感想です。
piyonには理解できないお料理だったということなのだと思います。
ただお料理の説明を聞いていると、ヴィーガンガストロノミーの追及をされているということはよ~くわかりました。

FARO(ファロ)のドレスコード

FARO(ファロ)のドレスコードはスマートカジュアル
電話予約の際、「男性のジャケットは必要ですか?」と尋ねたところ、季節柄Tシャツ・短パンでなければOKです、との回答をいただきましたが、間違いなくドレスアップして伺いたいお店です。
カジュアルな雰囲気の海外からの観光客さんグループもいらっしゃいました。

FARO(ファロ)のコース

ディナーコース

ガストロノミー ¥20,000
アミューズ/前菜/じゃがいものスパゲッティ/
パスタ/魚料理/肉料理/デザート/プティフール

ガストロノミーヴィーガン ¥15,000
アミューズ/前菜/じゃがいものスパゲッティ/
パスタ/メインディッシュ/ヴィーガンチーズ/デザート/
プティフール

ガストロノミーとは
料理という言葉が食材を調理する方法を差すのに対し、料理を中心として、芸術、歴史、科学、社会学などさまざまな文化的要素を考える総合的な学問。
文化と料理の関係を考察すること。
美食学や美味学などと訳され、生理的のみならず精神的にも意義を持つ食の営みを研究し、おいしさを作り出す技術を、理論で裏付ける。

引用:「コトバンク」より

ペアリングコース

アルコールペアリングコース
ガストロノミー ¥15,000~
ガストロノミーヴィーガン ¥12,000~

ノンアルコールペアリングコース ¥8,000~

piyonはノンアルコールペアリングを、他2名はアルコールペアリングコースをオーダー。

FARO(ファロ)のガストロノミーコース

空豆と安政柑のタルト
茸のテリーヌ
山菜と人参のスプリングロール

右から
茸のテリーヌ
60℃から70℃で加熱するともっとも甘味が出るそうで、その65℃で10時間かけてえのきだけと舞茸だけで加熱した、というシンプルに茸の香りを追求した料理。

空豆と安政柑のタルト
ブラックペッパーとガーリックオイルでマリネした空豆。
2番目に大きいという安政柑は広島の柑橘で、優しい酸味とのことでしたが、確かにそのとおり。

山菜と人参のスプリングロール
シート状にした人参のソースで、こごみ・タラの芽など山菜を包んだもの。
「食感と共にお楽しみください」

器は、新潟市 大橋洋食器。

よどみない説明をありがたく拝聴するも、情報過多で脳内処理が追い付かないまま、お料理を口に運ぶpiyonでしたが、意外とシンプルなお味やね、という感想です。

ショープレートは、燕市 トミタ「海に浮かぶ月」。
テーブルオブジェは、愛媛 天野薫 「十陶十色」。
ウォーターグラスは、東京 堀口秀石 堀口切子「よろけ縞」。

FARO(ファロ)の器は、すべてこだわり尽くした国内産です。

シチリア南東部イブレイ高原の在来品種トンダイブレア100%のオリーブオイルは、オリーブを収穫してから8時間以内に絞った徹底的にフレッシュなもの。
青りんごや青トマトなどの青い果実や若草の風味がとにかくフレッシュ~。

ガス入りかガスなしかを聞かれるミネラルウォーターは、600円のチャージ。

2種の玉ねぎのライスタコス

2種の玉ねぎのライスタコス
お肉の脂が苦手と伝えていたので、玉ねぎのライスタコスに変更してくださっていました。
さっぱりとした新玉ねぎを、ホワイトバルサミコ、ベルガモットペッパーで風味付けしてマリネしたライスペーパーのタコス。
赤い方は、ビーツの旨味に赤玉ねぎとロゼバルサミコを加えてしっかりとした味に。
白い方から食べるのがおすすめ、というシェフの伝言付き。

バターを使わず長時間発酵させ酸味がある、という自家製の美味しいパンには、檜のチップをパウダー状にした粒が見えます。
添えられた発酵バターがこれまた美味でした。

器は美濃焼 丸克陶苑。

ノンアルコールペアリングは、嬉野茶の極上茶+カルダモン+デコポン
玉ねぎの酸味と甘みに寄り添うドリンクだそうです。

こちらは本来のメニュー。
イタリア起源の豚肉にサラダを詰めたもので、3色のソースは、ウイキョウ、豆乳、パプリカ。
これは非常に美味しかったそうです。

ワインは全く分からないけど、さわやかなラベルデザイン。

ワラサのマリネ レモンとハーブ

ワラサのマリネ
さっぱりといただくお魚はとても新鮮だったワラサ。
集中力維持に限界があり、添えられているのは赤たまねぎ、ということだけのおぼろげな記憶。

器は美濃焼 丸克陶苑。

ノンアルコールペアリングは、玉露+ベルガモット+カモミール。

じゃがいものスパゲッティ

「テイスト・ザ・ワールド2017」で世界一に輝いたというシェフのスペシャリテ「じゃがいものスパゲッティ」これはもう美味しさのあまり一同唸りました。
ローマにあるシェフのお店に観光で訪れたお客さんの「小麦粉は食べられないけどパスタが食べたい」という要望に応えるべく厨房にあったじゃがいもでパスタにした、というのが誕生したきっかけだそうで、それを突き詰めて世界一に輝いたというお料理。
じゃがいもを発酵バターと魚醤を合わせて加熱した層と、トッピングはフライドのじゃがいも、というシャキシャキとサクサクの2つの食感に、エディブルフラワー(食用花)やバターとの相性が良いリコリス(甘草)で甘い香りを風味付け、下のソースと混ぜていただきます。
じゃがいもの香ばしさと異なる2つの食感、ソースはコクがあるのに重たくない、だけどクリーミーで香りも良し。
うーんこれは満場一致で絶品でした。

器は有田焼 カマチ陶舗。

ノンアルコールペアリングは、オーツミルク+スパイス+カラメル

雲丹のタリオリーニ

雲丹のタリオリーニ
泡立てたイタリアンパセリのソースのベースはガーリックオイルとチリオイル。
アーリオオーリオペペロンチーノの味わいと、モソモソと食感の邪魔になるイタリアンパセリは泡立てて香りのエッセンスだけを抽出したソースを、生雲丹の甘味と共に楽しむという一品。
これも非常に美味しかったです。

器は、清水焼 蘇隆窯。

ノンアルコールペアリングは、オレンジ+コリアンダー+生姜。

真鯛のソテー ハーブ香る魚のスープ

真鯛のソテー
レアな状態を残して焼き上げた真鯛に、下のリゾットのように見えるパスタを細かく仕上げトマトとオレンジのソースで組み合わせ、真鯛の骨から取ったスープをテーブルで注いでもらっていただきます。


オイルの緑色はローズマリー。
見た目はしっかりとイタリアンだけど、鯛茶漬けのような味わいもある、というご説明。
魚の生臭さに敏感な釣りおじぃ三平は、「鯛のあらのお掃除が出来ていないか、処理の仕方が悪いのか、鮮度の問題なのか」と魚のスープに不満を抱いてました。
鈍感piyonは気にならないレベルですが。

器は、村上市 羊工房。

ノンアルコールペアリングは、人参+山椒+フェイジョア(香りが華やかな南国のフルーツ)。
木製カトラリーは燕市 マルナオ。

北海道産北十勝牛のロースト

北十勝牛のロースト
オーガニック認定されてる和牛の1つ、希少な北十勝牛短角種はサシが控えめだそうです。
お肉にの上はコシアブラ、下にはマーマレード。
ブルーチーズのソースと、甘みと旨味のアクセントとなるポルト酒を煮詰めたソース。

福井県 高村刃物製作所のステーキナイフは好きな色を選びます。
高村刃物と聞いて「福井のナイフと言えば、の龍泉刃物じゃないのね~」という顔(顔だけです)を三平としていたら「龍泉刃物ですか?」とすかさず返ってきます。
龍泉刃物との違いなど、どの場面でも、何を尋ねても、総合的に知識としてお勉強されてるんやな、と感じることばかりで毎回充分な回答を得られました。
さすがプロ!
その素晴らしい切れ味の高村刃物は、レストラン向けにのみ製作して1年以上待ちなのだそうです。
伊勢志摩サミットで使用されて、海外でも人気だとか。
器は美濃焼 丸克陶苑。

ノンアルコールペアリングは、紅茶+ごぼう+ブラックペッパー+檜+パプリカ

放牧ミルクのパンナコッタ

デザートは3品でまずはパンナコッタ
すんごいボリュームかと思ったら、コンっとスプーンが底に当たる上げ底の丸みがかわいい器は、有田焼 カマチ陶舗。

ヘーゼルナッツのムース 島バナナとオレンジ

ヘーゼルナッツのムース
バナナの食感とオレンジのソース、下にはキャラメリゼしたヘーゼルナッツ。
香りのエッセンスをアクセントにする五島の食用椿オイルは、スプーンでお味見をさせてくださいます。
器は、有田焼 カマチ陶舗。

日本の里山 花のタルト

花のタルト
お花とハーブをタルトの上にのせています。
むしゃむしゃと食べます。
お花でした。
器は、美濃焼 丸克陶苑。

鑑賞するにはそりゃあ美しいですよ。
しかし、無農薬とは言えなんでわざわざ銀座に来て花びら食べなあかんのか、という気がしないでもありません。
が、そんな考えは無粋なのでしょう。
コーヒーか紅茶かを聞いてくださいますが、こちらも料金は別途。
高級店にはわざわざ「別料金になりますが」なんて注釈は存在しないのね。
いろいろ勉強になります。

FARO(ファロ)まとめます

この夜は一同お腹いっぱいだったにもかかわらず、翌朝の体内環境はすっきりと身体も軽く、ホテルの朝食ビュッフェを楽しむことができ、そこでアッと気付きました。
FARO(ファロ)のガストロノミーとはこういうことなのか、と。

サービススタッフさんの、アナウンサーのような良いお声で、スキが無さ過ぎるほどよどみなく説明される姿には恐れ入りました。
さすが東京!
みなさん気取らない笑顔のスマートな接客です。
テーブルコーディネートも素敵。

すべてMADE IN JAPANの器や、お料理の素材についての、どこどこのなになに、というこだわりや調理法、ワインについても本当に丁寧にわかりやすく説明してくださるので、知らないことばかりでとても勉強になりました。
ふ~ん、へぇ~、ほぉ~の連続。

その一方で、piyonがヴィーガンガストロノミーを理解できる舌と思考を持ち合わせていなかったこともあると思いますが、追求するあまり素材を生かしきれてないんじゃないかと感じるお料理もありましたし、金沢在住の我々にとって疑問符が付く食材もありました。

ただ、銀座という場所で、贅沢な空間で、特別な非日常を味わえることは間違いないです。
ヴィーガンガストロノミーを全く理解せずに伺ったpiyonたちが、ヴィーガンガストロノミーの世界に初めて触れ、ふ~ん へぇ~ ほぉ~と体感し学んだ、そんなFARO(ファロ)さんでした。
ごちそうさまでした。

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