島根県立石見美術館(グラントワ)での企画展が目的で、益田グリーンホテルモーリスに泊まった際、津和野へ半日観光に出かけました。
日帰り観光できる距離の、益田から足を伸ばす小さな城下町 津和野での「乙女峠マリア聖堂」と、本町通りにあるお茶屋さんとカフェの「香味園 上領茶舗」から殿町通りをご紹介します。
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益田から津和野へのアクセス
益田駅から津和野へは、山口線の特急「スーパーおき」で33分。
津和野駅のホームには、今では珍しい右横書きの「乃わつ」という駅名標が残っていました。
車だと、益田から津和野は4~50分。
途中に、島根の清流 高津川の鮎料理の名店「美加登屋」さんや、光害が少なく本州で1番キレイに星が見えると言われる「日原天文台(にちはらてんもんだい)」などがあります。
益田からのショートトリップとしては、JR山陰線で約80分、車だと約80分の萩も迷うところですが、乙女峠マリア聖堂に行ってみたい!と強く思ったpiyonは、同じ城下町でも萩よりも近くてこじんまりとした津和野を訪れることにしました。
丸々と太り過ぎの太った鯉が泳ぐ「掘割」や、カトリック教会、など城下町の面影を色濃く残す「殿町通り」や、商家が軒を連ねる「本町通り」などの津和野の観光は、津和野町駅前駐車場や町営駐車場など、駅前通り沿いの駐車場(1日 ¥500)に停めて歩いていけるところがほとんどで、益田からのショートトリップにちょうどいい場所でした。
悲しい殉教の歴史を伝える「乙女峠マリア聖堂」
乙女峠マリア聖堂の基本情報
所在地 | 〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田ロ66 |
問い合わせ先 | 0856-72-0251 津和野カトリック教会 |
アクセス | JR山口線 津和野駅から徒歩約20分 |
駐車場 | あり 駐車場から徒歩で上り坂約5分 |
料金・時間 | 内部見学自由・無料 |
乙女峠マリア聖堂とは
悲しいキリシタン殉教の歴史を伝える「乙女峠マリア聖堂」は、津和野駅から徒歩約10分の、乙女峠マリア聖堂の駐車場からさらに徒歩で約5分の山腹に位置しています。
江戸時代の厳しい弾圧の中でも信仰を守り通した、長崎浦上の隠れキリシタンのうち153名が、禁教令により、明治元年 津和野へ流刑となり、5年にも渡り、改宗を迫る激しい拷問を受け、37名が殉教の死を遂げたのがこの地なのです。
(現地の説明書きには37名、Wikipediaでは36名とあります)
聖堂がある山は、津和野城の城主の娘が埋葬されたことから、もともと乙女山と呼ばれていたそうです。
広島司教区は1939(昭和14)年に田畑などになっていた光琳寺の跡地を購入し、1951(昭和23)年に「聖母マリアと36人の殉教者に捧げる」聖堂として乙女峠記念堂が建立されたが、乙女峠の呼称は同年にこの歴史を綴った永井隆による絶筆『乙女峠』が刊行されたことにも由来する。
引用:Wikipedia
聖堂は、聖母マリアに献堂されたことからのちに「マリア聖堂」と呼ばれるようになった。聖堂のステンドグラスには、当時の悲劇の様子が描かれている。
毎年5月3日には殉教者を偲ぶ「乙女峠まつり」が行われ、津和野カトリック教会に隣接する津和野幼花園の園児やキリスト教関係者など県内外から約2000名が訪れミサが行われている。
三尺牢に入れられた殉教者のもとに現れた、と伝わる聖母マリアの像もある、貴重な歴史遺産であり祈りの場所は、現在はとても綺麗に管理された広場になっており、美しくも強い信仰の力を感じずにはいられません。
筆舌に尽くし難い拷問に耐え、信仰を守り抜いた人々を思うと、胸が締め付けられると同時にその強い意志に心打たれますが、悲しい歴史を伝える場所でありながら、穏やかな空気が満ちていて、自然の中で心静かになれる場所でした。
ステンドグラスに殉教の物語が描かれている聖堂の内部は、扉を開けて入ることが出来ます。
殿町通りにあるゴシック建築の美しい「津和野カトリック教会」の隣にある「乙女峠展示室」では、資料から深く学ぶことができるので、乙女峠マリア聖堂と合わせて見学したい場所です。
乙女峠マリア聖堂へのアクセス
津和野駅の西側の山腹にある乙女峠マリア聖堂へは、駅の改札口からはグルっと裏手に回るイメージです。
改札を出て、駅前通りの高岡通りを右手に進み、「工房 猫の手」の通りを右に入り、小さな踏切を渡ってすぐに右折すると、左手に乙女峠の小さな案内板が現れます。
津和野駅のちょうど裏手に位置する、無料の乙女峠マリア聖堂駐車場から、坂道を上ること5分で到着です。
たったの5分ですが、プレシニアpiyonにはまぁまぁキツい勾配でした。
この坂道は落ち葉で滑りやすくなっているので、手すりはありますが帰りの下り坂はお気を付けください。
ちょっとしんどいけどあっという間に、坂の先にこんな場所が広がってたのね、と驚く聖堂が現れ、一帯に流れる神聖な空気を感じます。
恋愛成就の不思議な電話ボックス
そしてここには、同時に3人で喋ることが出来、一緒に受話器を取った2人は結ばれる、と言われているというホンマかいな?な電話ボックスがあります。
なぜここに?と問いたくなりますが、電話事業100周年を記念してNTTが1990年に作った「デュエットフォン」だそうです。
うーん なぜここに。
とにかく恋愛成就のパワースポットらしいです。
カフェとお茶の販売「香味園 上領茶舗」
香味園 上領茶舗 の基本情報
住所 | 〒699-5605 島根県鹿足郡津和野町後田ロ263 (日本遺産センター前) |
TEL | 0856-72-0266 |
アクセス | JR山口線 津和野駅から徒歩5分 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 日・月・祝日 イベントなどで変更あり instagramでご確認を |
支払い | クレジットカード可 |
駐車場 | 2台 |
公式instagram | https://www.instagram.com/tsuwano.zaracha/ |
公式サイト | https://www.tsuwano-zaracha.com/ |
香味園 上領茶舗とは
藩政の時代から薬草茶として津和野で親しまれてきた「ざら茶」を販売する「香味園 上領茶舗(こうみえん かみりょうちゃほ)」さんは、カフェも併設の素敵なお店です。
津和野伝統の「ざら茶」とは マメ科の1年草「カワラケツメイ」をまるごと焙じた「ざら茶」は かどの無い素朴な優しい味わいで香ばしく、ほんのりと甘いノンカフェインの健康茶。
香味園 上領茶舗 は、島根県津和野町で1930年創業、以来、栽培期間中農薬を使用しない国産厳選茶葉と栽培方法で味と伝統を守り続けていらっしゃいます。
ざら茶はこんな方におすすめ ・体脂肪や高血圧が気になる方 ・ノンカフェインなので妊娠・授乳中の方
地球に優しいざら茶、日本茶とブレンドしたハーブティーなど、体調や目的に合わせたお茶選びができるのも嬉しいポイントです。
香味園 上領茶舗へのアクセス
津和野のメインストリートは、本町通りから殿町通りへとつながる1本の通り。
香味園 上領茶舗 は、津和野駅から歩いて5分ほどの本町通りに面しています。
数10m離れた松本畳店の隣に2台分の駐車スペースがあります。
香味園 上領茶舗の店内
香味園 上領茶舗 は、城下町の通りに馴染むノスタルジックな外観を残しながら、店内は素敵な空間で、ゆったりとお茶の時間を愉しむことができます。
老舗のお茶屋さんを物語る茶箱が、逆にモダンなインテリア。
カウンターには、茶葉の見本と、各450円ほど、と気軽にお試し出来て、お土産にもお手頃なテトラ型ティーバッグ10個入りのお茶が並んでいて、ブレンドティーなど種類も豊富、パッケージもかわいい、で自分用とお土産にいくつか購入しましたが、身体が喜ぶのを実感できるような美味しさで、もっと買えば良かったと後悔しました。
通販サイトで購入も出来ます。
・ざら茶 ノンカフェイン ¥400 ・カフェラテ ¥500 ・徳佐りんごのスクランブルタルト ¥450 ・ざら茶 バスクチーズケーキ ¥400
とてもリラックスできる店内で、ざら茶とスイーツをいただき、津和野を訪れて初めて耳にする「ざら茶」の魅力を知る機会となりました。
香りが良く、やさしい味わいのカラダに嬉しいざら茶、ハマりそうです。
フランス人のご主人と、老舗のお茶屋さんを継いだ奥さまが営んでいらっしゃる香味園 上領茶舗 の2階には、古民家の風情を残しながらもスッキリとした宿泊スペースもあります。
ざら茶のこと、津和野のこと、いろいろお話してくださった元気と笑顔が満ち溢れている奥さまと、優しい笑顔のご主人のご夫婦の雰囲気がそのまま、ほっこり居心地のいい空間を作り出してる「香味園 上領茶舗」さんは、津和野に来たらまたぜひ立ち寄りたい!と思わせてくれて、地元の方にも愛されているお店でした。
本町通りから殿町通りへ
地酒屋さんなど歴史ある商家が軒を連ねるのが、本町通り。
香味園 上領茶舗 は、本町通りに面しています。
本町通りの先にあり、藩政時代の城下町の古い佇まいを色濃く残しているのが、殿町通り。
殿町通りの掘割を泳ぐ錦鯉は、道端で売られている「鯉のえさ¥100」のせいお蔭で、どえらい巨体に成長しています。
殿町通りには、津和野カトリック教会、藩校養老館跡、など津和野を代表する見どころスポットが集中しています。
観光客が少ないのが寂しい気もしますが、のんびりゆっくり津和野の風情を楽しめます。
どこの観光地も人があふれている今、落ち着いた風景を味わえるここ津和野は、外国からの旅行者の方々に人気だそうです。
津和野半日観光 まとめます
山に囲まれた小さな盆地で城下町の面影を残す津和野の町を、徒歩で周れる範囲で巡って来ました。
太鼓谷稲成神社、津和野城跡、安野光雅美術館、にちはら天文台など、丸一日あれば、もう少し足を伸ばして見られるショートトリップにちょうどいい津和野。
カメラを片手に風情のある街並みをのんびりと歩いて、心身ともにリフレッシュできる、なごみの町でした。