金沢おいしい旅

【福わ家】うどん鍋と釜ごはんの老舗店 金沢観光にもおすすめグルメ

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約11分

【追記:2022年3月17日】もっと気軽に食べるうどんとそばの姉妹店「お多福」を追記しました

【追記:2022年3月21日】浅野川に伝わる風習「七つ橋渡り」を追記しました

【追記:2022年8月20日】「お多福」の価格改定後のメニュー表を追記しました

観光地としての魅力がいっぱいの金沢を訪れる方たちにおすすめしたい金沢グルメは星の数ほどありますが、観光客さんがまず足を運ぶであろう『海鮮』モノよりもお手軽で、ひがし茶屋街近江町市場から歩いて行ける、 饂飩鍋と釜ごはん「福わ家」(ふくわうち)をご紹介します。

「福わ家」の基本情報

住所 金沢市彦三町1-9-31
TEL076-264-8780
予約は営業時間内に
営業時間<平日>
11:30~15:00
17:30~21:00
<土・日・祝日>
11:00~21:00
L.O.は閉店30分前
定休日水曜日
駐車場たっぷりあります
クレジットカード利用可
公式サイトhttps://kobashiotafuku.jp/

「福わ家」へのアクセス

ひがし茶屋街
<金沢3つの茶屋街>
金沢文化を代表する茶屋街のひとつで、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
あちこちに散らばっていた茶屋を、1820年に加賀藩公認で浅野川の東(ひがし茶屋街)と犀川の西(にし茶屋街)に集め発展してきました。
明治期には浅野川沿いの主計町(かずえまち)にも茶屋街が作られ、ひがし・にし・主計町の三茶屋街となりました。
美しい出格子が特徴の町家と石畳が続く古い街並みは情緒豊かで、裏路地にもカフェやショップがあり、兼六園に続く観光地として人気を集めています。

金沢の定番観光スポット ひがし茶屋街 から、粋なたたずまいと橋が風情ある 主計町(かずえまち)を見ながら浅野川沿いをぶらぶらと10分ほど歩いたところにある小さな橋、その名も「小橋」を左に折れると、饂飩鍋と釜ごはんの老舗店「福わ家」(ふくわうち)があります。

●料金100円の金沢ふらっとバス 此花ルート 利用の場合は
金沢駅東口11番乗り場から乗車(乗車時間約13分)
近江町市場から乗車(乗車時間4分)
→⑪彦三北バス停 下車 「福わ家」は目の前です

の建物が「小橋カフェOTABA」で、1階部分が駐車場になっている右の建物が 「福わ家」「お多福」です。
正面・右ともに3店舗共通の駐車場です。


「福わ家」は古民家というよりも立派なお屋敷のような造りなのですぐ見つかります。

お隣の「お多福」は、もっと気軽にそば・うどん・定食・丼をササっと食べたいときに利用したいお店。
小橋のたもとにある、朝10:30から営業していて2階からの浅野川の眺めが素敵な「カフェOTABA」も同様に姉妹店です。

ひがし茶屋街 からも 近江町市場 からも歩いて10分ほど、と観光客さんも利用しやすい「福わ家」は、地元で長~く愛されているお店なんです。
まだ大阪に住んでいた40年前のpiyonは金沢旅行の際に偶然利用していて、知らずに久しぶりに訪れたときは「あーここ来たことある!あの頃と雰囲気そのまま!」とビックリ!

駐車場の壁の笑える看板

「福わ家」はこんなお店

昭和の初期に、この地で「小橋お多福」を創業というから相当な歴史をお持ちです

石段を上がって暖簾をくぐり、ぶら下がっている太い縄を引っ張ると、すーんと引き戸が開きます

帰るときも引き戸の横の縄を下にひっぱります
こちらで靴を脱ぎます


かなり立派な古民家の本来の姿も残す店内は、こんな家に住んだことがなくても、おばあちゃんの家がこんなんじゃなくても、懐かしいほっとする雰囲気が漂っています。

元気な女将さんの存在も大きい「福わ家」は、店員さんみんな笑顔いっぱいでとても感じの良い接客をしてくださいます。

半個室ふうのテーブル席
こちらは掘り炬燵席

小さなお庭に面したこちらの席が特等席です。
左の窓の向こうに見えているのが、お隣のリーズナブルなお店「お多福」
大きな一軒のお屋敷の中に2軒のお店があり、厨房は繋がっていますが入り口は別です。

「福わ家」のお料理

「福わ家」の饂飩鍋

<饂飩鍋>
単品はなく「饂飩鍋」も「釜ごはん」コースで提供されます。
まずはゆっくり、お野菜を砂糖漬けにしたお菓子とお抹茶をいただきながら饂飩鍋が出てくるのを待ちます。
楽しみ楽しみ。

饂飩鍋の種類は、定番ものに季節ものも加わり毎回迷うほど豊富。
左の定番メニュー「志のだ饂飩鍋」はシンプルであるがゆえに、お出汁とお揚げさんの美味しさをしみじみ味わえます。
野菜も季節の新鮮なシャキシャキなものばかり。
饂飩鍋のお出汁は味噌味があったり、ピリ辛味があったりと、季節ごとに旬の素材と合う味の追及をされているんだな、と毎回勉強になります。

「今盛り」と麺が倍の「昔盛り」がありますが、若い男性以外は「今盛り」で充分なボリュームです。
このあと、雑炊もありますから。

「福わ家」のうどんは太くて適度なコシがあり、昆布、かつお、さば、イワシをブレンドしたお出汁も大変美味です

夏野菜の時季のカレー饂飩鍋

饂飩鍋を食べ終わる頃に香の物と一緒に登場するおひつの中には、ころんとおむすび状のごはん

饂飩鍋の具材の出汁をたっぷり吸ったスープで雑炊にしていただきます。
卵と小ねぎはない!
でもサイコー!
しかしこの時点で、プレシニアのpiyonの胃袋許容量は限界を超えています。
女将さん、ちょっとボリュームをおさえたシニア向けコース作ってくれないかなぁ。

「福わ家」の釜ごはん

<釜ごはん>
饂飩鍋同様に単品は無く、コースのみで、これまた定番ものと季節ものとで種類豊富です。
行く度に新しいメニューが登場するので、迷いに迷って決めなければいけません。

釜ごはんもお菓子とお抹茶から始まりますが、饂飩鍋と違うのはお味噌汁が付いてくるところ。
これが2人分は充分あろうかというお鍋で出てくるので、二人以上で行くときには饂飩鍋釜ごはんをシェアするのがおすすめです。

春のタケノコ釜ごはん

いつも季節の野菜がシャキシャキ香の物

最後に甘過ぎないさっぱりといただけるデザートでしめます

毎回いろんな寒天系のデザートが登場します

「福わ家」定番メニュー

1年中いただける饂飩鍋釜ごはんの定番メニューです

寿饂飩鍋 一式
 あっさりとシンプルな味
今盛り 2,000円
昔盛り 2,300円
志のぶ饂飩鍋 一式
 油揚げの味が染みわたる
今盛り 2,100円
昔盛り 2,400円
木の子饂飩鍋 一式
 沢山の木の子を味わう
今盛り 2,200円
昔盛り 2,500円
鶏すき饂飩鍋 一式
 鶏と白菜のすき焼き鍋
今盛り 2,500円
昔盛り 2,800円
加賀さんぺい饂飩鍋 一式
 鮭とたっぷりの野菜を赤味噌で
今盛り 2,800円
昔盛り 3,100円
黒豚饂飩鍋 一式
 ナッツの変わり味噌付き
今盛り 2,800円
昔盛り 3,100円
揚天饂飩鍋 一式
 たっぷりの天ぷら
今盛り 2,900円
昔盛り 3,200円
ぎゅう牛饂飩鍋 一式
 国産和牛を味わう
今盛り 3,200円
昔盛り 3,500円
和牛すき釜ごはん3,000円
西洋釜ごはん2,800円
豚みそ釜ごはん2,600円
時雨あさり釜ごはん2,800円
さけ釜ごはん2,500円
えび釜ごはん2,400円
しめじ釜ごはん2,500円

【2022年3月17日追記】「お多福」でもっと気軽に うどん・そば・定食・丼を

「お多福」の入り口はこちらです。
こちら側から進入して坂を上がった先にも駐車場があり、「福わ家」にも通じているので「福わ家」に行かれる足元が不安な方は、滑りやすい石段を登らなくていいこちらに停めることをおすすめします。
ただし、すぐ前の道路(「OTABA」「福わ家」の間の道路)は尾張町方面からの一方通行なのでご注意ください。
営業時間は「福わ家」と同じです。

「お多福」のうどん・そば・定食・丼もメニュー帖のページが何枚もあるほど豊富。
「小橋お多福」として創業したこの店は90歳ですって!

ガッツリ派には「そば定食」1,650円

そば定食とジャジャメン

1階は囲炉裏を囲んだ席とテーブル席、4人以上で訪れると広い2階席に案内されます

「お多福」名物 ジャジャメン 1,100円は、和風焼きそばのようでいて、甘めのつゆだくの玉子麵で、「お好みで」と言われる豆板醤を全て使い切る勢いで混ぜると、あと引く美味しさとなり、時々無性に食べたくなる一品です。
60年続く名物メニューというのも納得の ジャジャメン

サービスで ミルク餅 が出てきたりもします

ここ「お多福」「福わ家」のコースをいただくほどお腹空いてないし、そんなに時間もないし、という時に気軽に利用できるありがたいお店です。
お客さんの年齢層も高め。
我が家もそろそろ「福わ家」は食べきれない!というお年頃なので「お多福」に行く回数が増えていくのでしょう。

「お多福」の支払いは、現金とPayPayのみで、クレジットカードは使えません。

【2022年3月21日追記】浅野川に伝わる風習「七つ橋渡り」

金沢に古くから伝わる風習のひとつとして、「福わ家」のそばを流れる浅野川にかかる7つの橋を彼岸の中日に渡ると寝たきりにならない、という「七つ橋渡り」があります。

  • 春と秋の彼岸の中日、深夜0時に
  • 新しい白い下着をつけて数珠を持って
  • 後ろを振り返ることなく
  • 帰宅するまで無言で
  • 川上の 常盤橋をスタート
  • →天神橋→梅の橋→浅野川大橋→中の橋→小橋
  • 彦三大橋は渡らず→昌永橋 の順に
  • 一筆書きで渡り決して戻らない
  • 最後に昌永橋近くの廣誓寺でお詣り
  • 下着は7日間続けて洗って干す
  • 奉書紙に包み紅白の水引を結んでタンスの奥にしまう

長患いせず、寝たきりにならない、下の病気にかからない、というこの願掛けは、古くから浅野川周辺の女性たちの間で密かに行われていたとも伝わります。
すれ違う車からは、深夜数珠を持って黙々と歩く集団は異様に見えて驚くだろうな、などど想像しながら、3㎞ほどの行程を3~40分かけて願いを秘めながら歩きます。

【2022年8月20日追記】価格改定後の「お多福」のメニュー表

「お多福」2022年8月の訪問で、物価高騰による当然の流れで価格が改定されていたので最新のメニュー表を撮影させてもらいました。

・名物ジャジャメン 1,200円
・カレーうどん&とんかつセット 1,300円
・そば定食 1,800円

<あたたかいうどん>
・花うどん 650円
・いなりうどん 850円
・あんかけうどん 850円
・玉子うどん 900円
・たぬきうどん 950円
・カレーうどん 1,050円
・にしんうどん 1,150円
・天ぷらうどん 1,300円
・和牛肉うどん 1,500円

<あたたかいそば>
・かけそば 900円
・いなりそば 1,150円
・玉子そば 1,200円
・にしんそば 1,450円
・天ぷらそば 1,700円
・和牛肉そば 1,900円

<つめたいうどん・そば>
・ざるうどん 800円
・ざるそば 900円
・おろしうどん 1,000円
・おろしそば 1,100円
・天ざるうどん 1,800円
・天ざるそば 2,100円

<細つけ麵>
・白鬼(たっぷりのとろろを自慢の出汁で) そば1,400円 細うどん1,100円
・黄鬼(醤油ベースのつけダレに鶏肉とネギ入り)そば1,700円 細うどん1,400円
・赤鬼(豚肉と刻みネギの相性抜群な胡麻のつけダレ)そば1,700円 細うどん1,400円
・青鬼(ピリッと辛いごぼうと和牛のつけダレ)そば1,900円 細うどん1,600円

<季節限定メニュー>
・さっぱり豚めん 1,200円
・季節のかき揚げうどん 1,300円 そば1,600円
・ひね鶏すだちうどん 1,350円 そば1,650円

<どんぶり>
・玉子丼 850円
・親子丼 1,000円
・カツ丼 1,100円
・とり天丼 1,300円
・えび天丼 1,700円

<ちびどんぶり> 各800円
・ちびさくとろ丼
・ちびからあげ丼
・ちび天丼
・ちびとり天丼

いわゆる和風天津飯の「天津ライス」 1200円。
にんじん玉ねぎとともに海老がごろごろ入ったごはんに和風のお出汁のあん、生姜を効かせていただきます。
だいたい以前より100円~150円アップしているもようです。

うどん鍋と釜ごはんの「福わ家」まとめます

「福わ家」では饂飩鍋・釜ごはん一式の他に、お酒のおつまみの単品メニューもあり、いつ何をいただいても美味しいです。
この店を訪れると「企業努力」という言葉が毎回浮かぶのは、明るく元気な女将さんのお力が大きいのでしょう。
10年以上にわたって数え切れないほど訪れていますが、常に工夫をされてマンネリとは無縁の季節ごとの感動があります。
そして、観光地に位置する老舗のお店にありがちな傲慢なところや堅苦しい雰囲気は一切なくおもてなしの心にあふれ、安住することなく上を目指す気概を感じます。
まずは地元の客を大事にし、観光客さんと女将さんの楽しそうな会話も聞こえるあったかい「福わ家」では、久しぶりに出張で訪れたビジネスマンが「懐かしいなぁ~女将さんも変わらんなぁ」などと言う声も聞こえてきます。

歴史の重みをお料理にこめて、深い味わいを醸す「福わ家」
この先もずっとずっと続いてほしい、と強く願います。

土・日・祝日は11時から通し営業されているのも嬉しいですし、地元のお客さんに長く長く愛されていますが、金沢グルメ目的の観光客さんにもきっと満足していただけるお店です。
週末の夜は予約してから行かれることをおすすめします。

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